2021年4月26日にPRTIMESにて、三井化学株式会社は、日本アイ・ビー・エム株式会社と共にブロックチェーン技術を活用した資源循環プラットフォーム構築に向けて協働を開始したことを明らかにしました。
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プレスリリースの内容で明らかにされた資源循環プラットフォームは、モノマー・ポリマー等の原材料における、製造~回収、解体、リサイクルを経て製品製造に再利用されるまでの資源ライフサイクルのトレーサビリティを確保するプラットフォームです。
トレーサビリティの可視化により流通の効率化や、ブロックチェーンベースのプラットフォームによる情報の公平性や監査業務の効率化も期待されています。
世界中でブロックチェーンを利用したトレーサビリティの可視化に関するプロジェクトが取り組まれています。
リサイクルまでの過程を可視化するものから、リサイクルされた再利用素材が使われていることを証明するためや、リサイクルを促進させる取り組みとしてブロックチェーンが活用されています。
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国内におけるブロックチェーンソリューションを使ったリサイクルに関する取り組み
この商品には、フィリピン沿岸地域で回収されたペットボトルを原料にした再生ポリエステルを使用されており、プラスチックゴミの削減に貢献しています。
ペットボトルの回収とトレーサビリティの確認には、Plastic Bankのブロックチェーンソリューションが採用されています。
海外事例 リサイクルのエコシステムを実現するPlastic Bank
Plastic Bankは、海からプラスチックごみを取り除くための活動としてブロックチェーン技術を活用したエコシステムを確立させています。
Plastic Bankのエコシステムは、参加者が海岸の縁側で拾えるプラスチックを拾い、拾ったプラスチックをPlastic Bankと提携するリサイクルセンターに預けることで、携帯端末の専用アプリケーション上で専用のトークンとプラスチックを交換することができます。
Plastic Bankはハイチ、ペルー、コロンビア、フィリピンなどといった国々をターゲットとし、プラスチックのゴミをリサイクルセンターに持ち込む人たちに報酬を与えることで、これらの地域で深刻化する廃棄物問題の状況を改善する取り組みを行っています。
Plastic Bankのブロックチェーンソリューションは、リサイクル活動の促進、ゴミの削減だけではなく、貧困問題にもアプローチすることができます。
Plastic Bankについてはこちらの記事から詳しく確認することができます。
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まとめ
世界的に、製品や商品に対してサステナビリティ(持続可能性)を求める声は大きくなっており、SDGsへの取り組みに対しての関心も非常に高くなっています。
しかし、トレーサビリティを明らかにするためには、サプライチェーンに関わる各関係者の協力が不可欠です。サプライチェーン上の企業同士が協力することが不可欠ではありますが、どの企業がイニシアチブを握るか、という問題や、協力をしてくれるかどうか、等協業には多くの障壁が存在しています。
今回は、三井化学が中心となりブロックチェーンの導入を行うための取り組みを発表しています。
国内においては、ブロックチェーンを用いたプラットフォーム等の導入を行う上では、メーカーが軸となることでサプライチェーン全体への導入のきかっけとなる可能性があるかもしれません。
ブロックチェーンソリューションは情報に透明性と真正性を付加することができるため、多くのプロジェクトで用いられています。
今回ご紹介したもの以外にも、トレーサビリティに関する複数のプロジェクトをまとめて紹介しています。
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