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年間死亡者数700万人の問題を解決する
世界保健機関(WHO)の報告書によると、世界中で推定700万もの人が大気汚染によって死亡していると推定されています。
大気汚染は気候変動の大きな要因であり、大気汚染の問題にどう取り組むかは、世界中の人、企業、国にとって大きな課題となっています。
現在リアルタイムな大気汚染状況のデータが提供されていないことは、健康に関するリスクだけではく、経済的損失にも繋がります。
今、大気汚染に関するリアルタイムで正確なデータを提供することは世界課題として重要な役割を担っています。
今回、分散型ソリューションを提供するRazor Networkと、気象情報を測定、分析するAmbeeが提携することで、Razor Networkが持つ分散型オラクルネットワークを用いて、Ambeeが収集した大気汚染に関するデータをあらゆるブロックチェーンプラットフォームで活用可能となりました。
気象情報を扱うAmbeeとは?
Ambeeは、複合的なアプローチ方法を用いて、街の通り単位でオゾンや一酸化炭素、窒素酸化物、のような地上に浮遊している大気汚染の状況を観測しています。
観測する方法は、政府のセンサーデータ、独自のIoTセンサー、オープンソースのデータに加えて、衛星画像、天候、気象データを使用して、大気汚染状況を測定しています。
Ambeeが独自に開発したアルゴリズムは、観測されたデータからどのような要因を元に発生しているのか検証することができます。
例えば、ゴミの焼却、車の走行、建設工事や工業製品の排出、公害やGHGの排出に大きな役割を果たす人間の活動など、その他の細かな生活排出まで要因として考慮し、環境に影響した要因を慎重に検証しています。
Razor Networkの持つソリューションを活用することで、環境やDeFi(分散型金融)、保険に関するブロックチェーンアプリケーションを持つスタートアップ企業が、Ambeeの所有するリアルタイムな大気汚染状況のデータを取得できるようになります。
また、スタートアップ企業が、様々な種類のブロックチェーンプラットフォームのうち、どのプラットフォームを使っていても、Ambeeの環境データへアクセスすることができる等、高い拡張性を有しています。
そして、Razor Networkが持つ分散型オラクルネットワークは、耐改ざん性を有するため、ブロックチェーンプラットフォームを持つスタートアップ企業は安心してAmbeeの環境データを利用することができます。
オラクルとは、スマートコントラクトに外部の情報を提供するサードパーティーサービスのことです。通常、スマートコントラクトはブロックチェーンの中(オフチェーン)でしかデータにアクセスすることができず、外部の情報を取得することはできませんでした。
オラクルを使うことで、外側からブロックチェーンのスマートコントラクトに対して情報を提供することができます。
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環境情報とブロックチェーンアプリケーションが連携するべき理由
大気汚染状況のデータをブロックチェーンアプリケーションに組み込むことで、複数の環境問題にどのように対応するべきかのヒントを獲得でき、気候変動の対策にも役立つことが期待されています。
また、CO2の排出量など、環境への影響に関する企業の説明責任を明らかにすることや、企業の排出データの透明性を確保、サプライチェーンの透明性の向上を支援することができるようになります。
その他にも、市民に対して、報酬を設けることで、環境に配慮した行動を促したりすることが可能となります。
また、大気汚染の原因を追求することにも役立つことが期待されており、温室効果ガスの排出量の場所の特定を郵便番号レベルの精密さで追跡することが可能となります。
農業の分野では、気象データや土壌データを、収穫量の予測や作物管理の改善、異常気象に伴うリスクの測定などに活用することができます。
Razor NetworkのCEOであるHrishikesh Huilgolkar氏は、次のように述べています。
「Razor NetworkとAmbeeとの統合は、ブロックチェーン開発者が安全で検証された環境情報データにアクセスするための基盤となります。これにより、大気汚染のモニタリングータの信頼性の問題を解決することができ、開発者がこのデータを利用して、世界中の主要な産業、政府機関、ヘルスケア企業が利用できるアプリケーションを作成することができるようになります」
AmbeeのCTO兼共同創設者であるMadhusudanAnandは次のように述べています。
「大きな環境問題に対処する方法の一つは、人々の行動に変化をもたらすことです。Razor Networkと提携して、当社の環境データをブロックチェーン上で利用できるようになることを嬉しく思います。差し迫った環境問題の解決策を見出すのに役立ちます。ブロックチェーン開発者は、農作物保険、リスク評価、ESGや気候関連の金融商品の構築に、当社のハイパーローカルなリアルタイムの大気質データを利用できるようになりました」。
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最後に
今回はSDGsの取り組みにも大きく関連するソリューション事例でした。
昨今ブロックチェーンを活用した様々なプラットフォーム、サービスが立ち上がっています。今回のようなブロックチェーンプラットフォームへ情報を提供するソリューションは未だ多くありませんが、将来的にこのような橋渡しを役割とするソリューションは増え続けることが予想されます。
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